ヴェルタ完結

ヴェルタはニーバリの勝利で幕を閉じた。
ツールに続き、一度もステージ優勝しなかった総合優勝者を輩出した今回のヴェルタ。
生真面目にはフォローしていなかったのだが。
最終の山場はハンカチを握りしめて見ていた。
其のステージで50秒遅れのモスケラがニーバリを引き離して逆転するだろう。
否、そうなってほしいと願っていた。
そのほうがヴェルタの幕の引き方として美しいと思ったから。
けれども、そんな淡い思いは裏切られたのは周知のとおり。
山道を囲んだスペイン人たちのはちきれんばかりの声援も今回ばかりは喉をからしただけ。
モスケラの老獪な走りは、ニーバリの粘りの走りで潰されてしまう事になる。
かろうじてステージはモスケラが獲るに至ったのだが目指した総合はニーバリもの。
しかし、モスケラは助演男優賞級の走りだった。
そして、ヴェルタではこの助演男優が主演男優を完全に喰ってみせたと、そんな物語だったと思っている。
エセキエル・モスケラ。
この男はヴェルタにしか出てこない。
所属のチームがスペインの小チームだから仕方ないのかもしれない。
得意の山では必ずアタックをし、タイムトライアルは苦手という典型的なクライマー。
かつて、ジロの主催者に其の山での走りが気に入られてイタリアの一周レースに招待を受けた事があったのだが彼は出なかった。
代わりに名もなきチームメイトたちが其の欠員を埋めたのであるが散々としたものだった。
其れがジロの主催者を激怒させて、スペインの地域密着型の小チームにお呼びがかかることはなかった。
マイペースなひとなんだろうなきっと。
山での走りといっしょで。
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他方。
このレースでひとつの幕を閉じた物語もある。
ニーバリとクロイツィゲル。
チーム内のライバル関係。
若手のステージレーサーとして突出した才能を持つふたりが同じチームに居て喧噪が起きないことはなかっただろう。
しかし、そこはプロ。
今回のヴェルタではクロイツィゲルがニーバリのアシストに徹して走っていた。
来季からは其のクロイツィゲルがアスタナに移籍するので真のライバル物語が始まると思う。
楽しみである。
そして、次世代のヤングガスの台頭は始まっている。
オスとサガンがそうなるだろう。
ニーバリやクロイツィゲルとは違ってワンデーレーサータイプのふたり。
リクイガスというイタリア最強チームからこれからも目が離せない。
by astronautics | 2010-09-19 23:50 | 盆栽実況中継
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