サイ時期

明日は少しだけ。
自転車が前に出る。
顔見世。
そういった用があった。
だから。
そう云っては軟だが。
自転車の掃除。
手にかけたSTEALTH。
メンテナンススタンドに乗る。
マットブラックにツヤありホワイトのデカール。
其れがわたしのクラシック。
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パーツにはロゴが無い。
総べて消している。
パーツの機能を買っているから。
造形美も然う。
Campy only。
別にヒエラルキーを買ったわけでは無い。
見栄でパーツのグレードを左右されたわけではない。
だから、Super Recordなら、すべて其れで揃えるとか。
そういうことはしない。
揃わないロゴのデザインは余計になる。
実際、レバーはSuper RecordでFメカはChorus、RメカはRecord。
ごちゃまぜである。
良く云えば適材適所の選択。
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かつて自転車界において。
オーダーフレーム全盛のころ。
自らのカラーで自転車に乗るという事は至極当然であったと想像する。
しかし、マスプロメーカー全盛のさいきんでは。
わたしのように既存の塗装を塗り替えるとか。
まさかパーツの外装をカスタムしてしまうなんて…。
まるでタブーを犯しているかのような。
そんな雰囲気すらある。
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そんなわたしも。
突然、そういったカスタムに目覚めたわけではなく。
やはり教材があってこそのことで。
見つめるという習いを経て今がある。
かつて、サイス監督が率いたチームには名物メカニックが居て。
わたしは彼の組み上げたロードレーサーに釘付けになった。
当時、それはもう憧れの的だったレバーのRecordのロゴを彼はあっさりと落とし。
既存のデザインをアッサリと否定。
カラーリングのカスタム。
自転車の一部のデザインとして落とし込んでいた。
今はそのメカニックはどこに行ってしまったのだろう。
現在のシーンでは。
エースバイクに特色を用意することはあっても。
パーツまでカスタムがいきわたることが実に稀になってしまった。
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それからというもの。
わたしはコンポーネントのロゴを隠し。
とくにホィールのシールはすぐに剥ぐことが珍しくなくなっていた。
さらには、Lightweightのロゴすら。
あれは塗装だった。
だから削り取った。
だって、プロレーサーはロゴ入りのLightweightに乗っていなかった。
供給外というファッション。
カスタムという行為は。
何も仰々しく高価なパーツを驕ることではなく。
自分だけの一台を造り上げるという行為。
自転車を自分の身の丈に誂えるカスタムがあるということ。
其れはファッションサイクリスト的に。
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オキナワが終わればオーバーホールをしようと思っていたSTEALTH。
RED BONSAI 2が亡き今。
もう少し頑張ってもらおう。
電気に組み替えるときが来るまで。
シフトワイヤーが無くなるわけであるし。
ときは遅い春ということになっているが。
初夏の陽気のころには届いているだろうか。
零細の盆栽自転車店に通電するのは遅そうな気運もあるが。
そこはリスペクトでなんとか。
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さて。
STEALTH BONSAIの掃除。
笑ってしまうくらいに。
すぐに終わってしまった。
ツヤ消しの塗装で真っ黒のカーボン。
まったく汚れが目立たない。
たしかに実用的と云えるのかもしれない。
だからというわけではないが。
このカラーリングはわたしの実戦仕様車として。
たとえ機材に変化が来ようとも。
変わらないだろう。
其れがクラシック。
定番ということ。

そこにリスペクトがある。





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by astronautics | 2011-12-19 23:50 | ヨーリーを探せ
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