いまさらなにを迷っているのだろう。
ためらいの記憶なんてどうでも良い彼方に消えていった。
もしも、またもやもやとケムリが立ち上がっても。
生まれた瞬間にダッシュボードの奥に仕舞い込むだけさ。
フレームは電動専用ときた。
もはや選ぶ範疇が限定の極地というわけであるが。
其れすら乗り越えようと云う野心がこゝろの底や記憶や経験によって生まれた。
これは蘇ったのである。
ある日、電気を覚えてからというもの。
水を捨て。
火を捨て。
風を捨て。
森も失った。
自然に帰れよ。
オマへはジブリか。
そして、ちがう誰かが云った。
リスペクトがある。
フレームは骨。
ニンゲンはエンジン。
コンポーネントは神経。
いまから電気信号を発信してみたい。
アイウエオ。
ニイタカヤマノボレ。
自転車は走り出した。
そして地を這うようなグリップ。
ヤマも越えていった。
物語は妄想。
フィクションに違いないが。
そう現実と遠くもない。