さよならBlack Fleece

思いは海を超えて。
太平洋横断。
そして大陸も横断。
北アメリカ大陸。
ニューヨークはマジソン街にたどり着く。
そして、ひとつのブランドがまた消えて。
記憶になろうとしている。
Black Fleece。
そこにリスペクトがある。
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個人的にとても思い入れがある。
はじまってから終わるまで。
ずっと見つめることができたブランドだった。
持っている服も抜群に多い。
決まった種類の占有率は軒並みトップ。
其れは、シューズ、ニット、ボウタイだろうか。
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調べてみれば2007年から。
2007年の秋冬からスタート。
なので実は2008年をまたぐことになる。
はじめのうちはThom Browneのディフュージョンライン的な位置づけとは思えないくらいに高級で。
スーツはイタリー。
ニットはスコットランド。
革小物はジャパン。
という生産地が中国製に変わっていき。
素材はニットがカシミヤ使いだったものがコットンニットに。
ジャケットも当初は何故か手縫いだったものが機械製に。
これは当然の変更か。
其れにしても時流に合わせて変節していった。
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はじめのシーズンがあまりに高級だったことあって。
実際に購入できたのは2年目以降ではなかっただろうか。
其れでもむかしのシーズンのものはデットストックを見つけたり。
古着でも状態が良ければ入手した。
実際にはじめのほうのシーズンにしか魅力的なアイテムはなくて。
シーズンを経るごとに「欲しい」と思うものは減っていった。
だから売れ線的なモノは限られていて。
店頭でも直ぐに姿を消していた。
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デザイナーのブランドであるThom Browneよりも落ち着いた提案が多かったBlack Fleece。
トラッドの定番と、Thom Browneの再提案的な見せ方がおもしろかった。
だから定番の商品があっても良かったと思うのだけれど。
やはり、毎シーズンごとに違うアイテムを打ち出していかなければいけないのはトラッドとはいえ、ファッションブランドとしての宿命なのだろうか。
そんな姿をBlack Fleeceにも見たし。
其れが個人的には恨めしくも思えたわけだ。
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ファッションとは?
消費型ビジネスの典型なのだろうか。
変わり続けなければいけないものなのか。
BlackFleeceは7~8年のあいだに変わり続けてきた。
毎シーズンごとにアイテムが変わると云うことは。
翌シーズンにはこのアイテムは無いということになる。
だから、焦って仕入れたモノもあった。
衝動買いはしてないか?
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これはテーラーで買い物をしているときとは正反対の心境。
テーラーでは落ち着いて買い物ができる。
オーダーがメインだから。
ハードコアーのご教示を受けて落ち着かせてもらい買い物ができている。
吊るしのように数が限られて急かされることがない。
ときには急かされることも必要だと思うこともあるけれど。
そして、自転車のビジネスも同じことが云えるんだ。
急かされるモノと、落ち着いて選ぶことができるモノ。
其の見極めこそがモノ好きの人生を豊かにするとわたしは思う。
そこにリスペクトがある。
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ありがとう。
さようなら。
Black Fleece。
by astronautics | 2015-09-08 23:50 | スリーピースヨシダ
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