パリ・ルーベを見ていた

パリ・ルーベ。
中世から残る石畳をコースに加えたクラシックレース。
ここ数年は晴れて泥だらけの様相になることはなく。
泥だらけにならない晴れは酔狂さが減るのかというとそんなこともない。
乾いた砂埃の中を進むペロトンは戦場を駆ける戦車のようだ。
そして。
今年も晴れだった。
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ボーネンの不調、落車による欠場のなか。
世間の評価ではカンチェッラーラが大優勢なわけだが。
わたしの見方は違っていた。
ボーネンがおらずとも。
クイックステップは、パトリック・ルフェーブルのチームである。
MAPEI時代からのパリ・ルーベにおける輝かしい戦歴。
表彰台独占も2回も含め近年の優勝多数。
だから、ボーネンが居なくとも、残った精鋭で戦術の限りを尽くしてくるのでは。
というふうに見ていた。
そこにリスペクトがある。
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事実。
セオリーの通り、前半からの逃げにはステーグマンスが居たし。
クイックステップが終盤に残した人数は最多だった。
しかし、パリ・ルーベの女神は残酷。
この日のクイックステップチームは不運がつきまとった。
エースのシャバネルはバイク交換で遅れ。
このクラシックシーズンで好調を維持していたヴァンデンベルグは観客に引っかかり。
カンチェッラーラにマークしていたステイバーはカメラに当たってペースダウン。
唯一、テルプストラが3位に入って名門チームの面目躍如といったところだろうか。
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ツール・デ・フランドルが昨年からコース変更になってスペクタクル性が低くなったせいで。
パリ・ルーベのドラマチックな展開はワンデーレースでも随一と云える。
来年はどんなドラマを見せてくれるだろうか。
物語の主役は誰かは見当もつかないが。
シナリオのほとんどはルフェーブルが書き上げてしまうに違いないだろう。
ルフェーブルのチームがそうしてくるに違いないのである。
そこにリスペクトがある。
by astronautics | 2013-04-10 23:50 | 盆栽実況中継
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